2009年10月17日

やっぱりね

『バカ姉弟』がテレビアニメ化されて、『ご姉弟物語』として放送が始まっているのだが……
「やはりやってしまったか」というのが正直な感想だ。たぶんこういう感じで失敗するんじゃないかな、という失敗の仕方だったので、まあ予想通りではあるのだが、それにしてもねぇ。

 そもそも『バカ姉弟』はアニメ化できるようなものではないと思う。なぜなら、〈ストーリーがない〉ことが大きな魅力だからだ。雰囲気、世界観、風景、空気、といったものが魅力なわけで、それらの要素は最近のアニメ業界では表現しにくいものだろう。
 できたとしても、まず深夜枠なんかで、実験的な方法を使いながら手探りで作っていくしかないような、そういう類のものだ。
 たとえばゴルゴ13のストップモーション・アニメみたいな感じ(そういえば、主人公があまりしゃべらない、とか、独特の空気感だとか、ゴルゴとバカ姉弟にはいろいろ共通項があるな)。
 ほかにアニメ化に向いている素材なんていくらでもあるだろうに、なぜわざわざ『バカ姉弟』を選んだのだろう。『あたしンち』に近い素材を求めていたのだろうが、「日常のあるある」を題材にした漫画なんてほかにいくらでもある。五巻しか書籍化されていないので、それほどストックがあるわけでもなく、連載も休みがちな『バカ姉弟』をなぜ対象にしたのか。大人の事情だろうか?

 しかし放送は始まってしまったわけで、もうメディアに喰われてしまった事実は変わらない。
 ただ、そのへんは製作スタッフも感じているのではないか、と思う。第一話の内容は、テレビ関係者(ドキュメンタリーを撮っているらしい)が、姉弟を撮影しようと追い掛け回して、結局逃げられてしまう、というものだった。
 第一話にこの話を持ってきたというのは、いかにも暗示的だ。アニメの中の大人達と自分達を重ね合わせた、罪悪感の比喩となっているのかもしれない。
 なっていないのかもしれないけど。
posted by タチバナ at 14:35| Comment(0) | 雑記